潟ーマスブレーン 感動・情報
『ありがたいねえ』
作文コンクール総理大臣賞 石巻湧谷第一小学校六年中村早希
三日目、凍りつきそうになる両足をカタカタ震わせながら考えた。
(そうだ、あの日も、私はごはんを残していたんだ。しかも、私たちの学年の残飯量は、
毎日、目立っていた。)
あちらこちらから、せきをする音が聞こえ、避難所として用意された教室に響いた。
そして、小さい子が泣き出す。
「おなかへったよお」
その子供のお母さんが、二人をだっこして、教室の外へ出ていく。
� �すみません」
小さな声だった。私は心の中で返事をする。
(誰も迷惑なんて思っていませんよ。)丸二日、食べ物を口にしていない。
突然、恥ずかしいという思いが押し寄せてきた。
自分の意思で、食べ物をそまつにしてきたことに対する恥ずかしさ。
「え、本当に。やったあ、やったあ。」「もらえるんだって、おにぎり。」
(うわあ、三日ぶりのごはんだ。)配給されたおにぎりを両手を器にして、
半分腰を曲げて受け取った。いや、頂いた。でも、あれほど待ちのぞんだおにぎりなのに、
食べるのがもったいないように感じられた。友達と、こんな会話をしながら、
寒さや恐怖とたたかっていたのだ。
「食べ物が食べられるようになったら、最初に何食べたい。」
私達の答えは、三人と� �、おにぎりだった。
この時、私の耳に入ってきた言葉、「ありがたいねえ。」
近くで窓の外をじっとみつめながらおにぎりをたべていたおばあさんの言葉だった。
この言葉によって、手の中のおにぎりが、よりいっそう輝いて見えた。感謝の心が、
つやつやと光っている。友達と顔を見合わせ、どちらからともなく、口にした言葉。
「食べるよ、食べるよ、せえのっ。」口にしたおにぎりの味は、たぶん一生忘れないと思う。「一つ夢、かなったっちゃあ、私達。」お米の味をかみしめながら自衛隊の人に手を合わせ、何度も何度も(ありがとう)を繰り返した。
今、思う。あの日のおにぎり、あれは希望だった。あのおにぎりがあって、私がいる。
おなかがへった、と泣いていた二人の命がある。
寒� ��とたたかっていたお年寄りの方々の命がある。あれは、千二百の尊い命を救った、
まさに命のおにぎりだったと思う。多くの手と、その思いが実らせるお米だからこそ、
私達に希望を与えてくれ、明日を感じさせてくれたのだと思う。
支え、支えられるための力を生み出してくれたお米に感謝したい。(ありがたいねえ。)
=売上世界一、ウォルマート=
(アメリカのディスカウントストアー)
創業者サム・ウォルトン(1918−1992)氏の思いが経営に強く影響し、素晴しい世界一のお店が実現しています。そして感動のサービスは伝説となります。
ウォルマートの創業理念(ポリシー)は、次の二つです。
1、お客様は常に正しい 2、もしお客様が間違っていると思ったら1に戻る
《ポットのお話し》
アーカンソーの本社入口に上記理念とその横に古びたポットが展示されています。このポットには大切な意味が込められています。ある老夫婦の会話です。
おじいさん「倉庫から出てきたこのポットにお湯を入れても直ぐ冷めるん� ��が」
おばあさん「うちは、ウォルマートでしか買い物しないから一度持っていけば」
おじいさんがいつも行くウォルマートにポットを持って行き理由を説明しました。店員さんは、笑顔で「どうもありがとうございます。どうぞお気に入りのポットがありましたらお選び下さい。もしお気に入りがなければ、いくらで買われましたか。お金をお返しします」(返品返金制度)
もちろん、商品検査部門は充実しています。調べますと、昔軍隊で配っていた水筒だったそうです。お客様がお店を忘れずに持ってきてくれたことが大切であって、それが事実かどうかは、大切ではないと考えます。もし、その後老夫婦が何かの機会にこの話を誰かにして、軍隊の水筒だと気づくことがあれば、その老夫婦は驚き、改めて「さすがウ� ��ルマート」と感動し更にファンになるだけではなく、多くの人にこのことを伝え創業理念が本当であることを語り継ぐことでしょう。世界一のお店は、お客様第一の小さな実践を徹底して継続した結果といえるのではないでしょうか。「お客様が大好き。いつも、お客様のために」という創業者サム・ウォルトン氏の思いが伝わって来ます。
《テニスラケットのお話し》
アーカンソーの本社入口に上記理念とその横に少し歪んだテニスラケットを展示しています。このラケットには大切な意味が込められています。
ある日、青年がお客様サービスの窓口に来店し店員さんに持参したテニスラケットを示し「このラケットでは、まっすぐにボールが飛びません」と言いました。どう見ても、1シーズン使い込んだようなラケッ� ��です。しかし店員さんは、迷わず笑顔で「どうもありがとうございます。どうぞお気に入りのラケットがありましたらお選び下さい。もしお気に入りがなければ、いくらで買われましたか。お金をお返しします」(返品返金制度)と対応します。
もちろん、商品検査部門で調べますが、お客様がお店を忘れずに持ってきてくれたことが大切であって、それがどのような理由かは、大切ではないと考えます。少し理不尽と感じることもあるかも知れませんが、あえてウォルマートは、妥協せず創業の精神を貫くことを徹底しています。
ライバル店Kマート等では、そこまでの対応は、ありません。時が経過しKマートは倒産し、ウォルマートは世界一の会社になりました。このことが全てを示しているのではないでしょうか。世界 一のお店は、お客様第一の小さな実践を徹底して継続した結果といえます。「お客様が大好き。いつも、お客様のために」という創業者サム・ウォルトン氏の思いが伝わって来ます。
《勲章のお話し》
1992年 サム・ウォルトンは、ジョージ・ブッシュ大統領(お父さんの方)から自由勲章(アメリカでの文民最高勲章)を受けました。そのときのお話しです。全米一の会社になったことで大統領から最高勲章の授与の為にホワイトハウスに来るように連絡がありました。しかし、サムは「交通費がもったいないから要りません。余分なお金があったらお客様のサービスに使います」と断りました。(少し、アメリカンジョークも含まれているのでしょうが・・)
ブッシュ大統領もあげるといったためし、引っ込みがつきません。そこで田舎町のアーカンソーまでファーストレディーと共にやってきました。勲章授与式は、その地域最高のホテルでする事なく、会場は社員食堂でした。(その光景はアメリカ研修でビデオを見ました)ブッシュ 大統領が登場しサムに勲章を授与しました。その時、サムは勲章を手にして集まった社員に向って「皆の代わりに貰っといたから」と語りました。その一言に、社員は大歓声を上げて会社のスローガンを一斉に唱和しました。(全ては、お客様のために)
全ての目がお客様に向いています。世界一のお店は、お客様第一の小さな実践を徹底して継続した結果といえます。「お客様が大好き。いつも、お客様のために」という創業者サム・ウォルトン氏の思いが伝わって来ます。
《ボーイング社幹部社員ヘッドハントのお話》
ウォルマートも年々成長し経営幹部人材の必要性に迫られ、シアトルのボーイング社から幹部に来てもらうことになりました。当日、アーカンソーの飛行場にサムが迎えに行くようになっていましたが、 急用で行けなくなり、彼の車の鍵を空港のカウンターに届け、本人にその旨の連絡を入れました。
ボーイング社の幹部社員は、空港に到着し空港職員にサムの車の鍵を受け取り、駐車場を眺めましたが全米でも注目される優秀企業創業者にふさわしい車が見当たりません。空港職員に尋ねましたら「あの車です」と指差す方向に目を向けましたら一台のポンコツトラックがとまっていました。
サムにとっては、車はそれで充分だったのでしょう。自家用ジェット機があっても、路線便を利用する時は、常にエコノミーシートだったそうです。サムが「けち」であることは有名ですが、お客様のために使う費用には最大の投資をします。そして、最大の納税そして社会慈善活動にはよく寄付をしたそうです。
世界一のお店は、� ��客様第一の小さな実践を徹底して継続した結果といえます。「お客様が大好き。いつも、お客様のために」という創業者サム・ウォルトン氏の思いが伝わって来ます。
《NHKテレビのお話》
2002年ウォルマートは、日本に上陸し西友を合併しました。その時のお話です。その当時の社長は物流担当重役から社長になったスコットさんでした。その調印式は、日本中が注目しました。そして当日とその翌日の二日間連続でNHK夜10時に特番が組まれました。調印式当日夜10時のテレビで司会のアナウンサーが「いやー、今日は驚きました」と少々興奮気味で番組が始まりました。ウォルマートならではのとんでもないことが起こりました。
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