今から少し退屈な話をします。いや、少しじゃないかもしれないので、時間と興味のある方だけ、続きをご覧ください。ちなみに、内容はごく当たり前のことしか書いてないので、時間をかけて読んだら「損した!!」と思うかも知れないことをあらかじめお断りしておきます(^^ゞ
まずは下の図を見ていただきましょう。
たとえば露地栽培で野菜や花を作っている農家がいるとします。その人がある日の夕方、こんな判断をしたと思ってください。
「晴れそうだ」という情報のインプットを受けて、判断し、適切な行動というアウトプットをするわけですね。仕事というのはこんな「判断」の連続であり、適切な判断ができる人が、「仕事の出来る人」と言えます。
まあ、ここまでは何を今さらというようなあたりまえの話です。
どのようにインセンティブを綴るん
それでは、たとえば「今から、初めて農業をやります」、というような初心者がいたとして、その人がこういう判断ができるようになるためには、何が必要でしょうか?
このシチュエーションでは、少なくともこんな知識が必要ですね。
(K1) 晴れた夜は冷え込みやすい
(K2) 急激な温度低下は作物を傷めてしまう
(K3) 適切な防寒対策をすれば低温による障害を防ぐことができる
では、
この「知識」があれば適切な判断ができるのか?
というと、残念ながら、「NO!」なわけです。
「はい! ここ試験に出るからね!! 覚えておくように!!」
なーんていうタイプの勉強をしても、その知識は肝心なときに使えない、そもそも学校の勉強なんて役に立たないよね、というような声をよく聞きませんか?
知識だけあっても実際の判断には使えません。それは確かにその通り。
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でも、それは
「知識なんかなくても適切な判断ができる!!」
ということではないはずです。知識は最低限必要なものであって、それにプラスαがないと、実際の現場では適切な判断ができない、ということです。
ではそのプラスαとは何でしょうか?
答えは単純な話で、実際に「判断」をする経験を積むことです。
「覚えた」だけで判断が出来るわけはない以上、
実際にやってみて、
当然最初はうまく行かないので失敗して、
軌道修正をしてやりなおして、
という経験を積まない限り、「知識」は役に立ちません。
ここまでも、実際のところあたりまえの話です。私がここに長々と書かなくても分かっている方が大半でしょう。
問題のひとつは、「実際に経験を積むこと、積ませることが非常に難しい」ということなんですね。
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そのため、これまでは「専門分野の細分化」が進行してきました。
「経験を積ませるためには時間とお金の両面でコストがかかる。多くの人間に幅広い経験を積ませることはできない。そこで、分野を限定することで、その分野についてはプロフェッショナル、と言える専門家を育成しよう。
と、これまでの社会はそういう方向で動いていたわけです。
しかし、今では「専門分野のことは専門家にまかせておけばいい」とは言えない時代になっています。現在進行中の原発事故関係の情報はその最たるもので、「専門家」の下す判断とその説明が国民に信用されない、という事態が起きてしまっています。
この状況で、必要なことは何なのでしょうか?
(続く)
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